キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1
小屋の壁は、紅葉のはじまったツタでおおわれている。

「あなたはグスタフ皇国の人?」

「ああ、俺はオルロフ。君の名前は?」

「エリーゼ」
妖精は愛想がない。

「ここはどこなんだ?」

「魔女の国とのちょうど境目。でも歩いている所は、魔女の領地」

オルロフは、めげずに質問を続けた。

「エリーゼ、君は魔女の国の人なのか?」

妖精はうなずくかわりに、小屋の扉を開けた。

乾燥した草の匂いがする。
そして暖かい。

「そうね・・でも・・ここから出ていくつもりだけど」

妖精は手早く戸棚からタオルや毛布を取り出し、オルロフに押し付けるように渡した。

「そっちの部屋で濡れちゃったものを脱いで。
毛布があるからそれをかぶってくればいいわ。
ここには男物の服がないから。
まぁ、暖炉のそばに置いておけば、すぐに乾くと思うけど」

妖精はそれだけ言うと、地下に向かう階段をトントンと降りて行った。

オルロフは、指示された部屋のドアを開けた。


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