キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1

湖のほとりの小屋・17時10分

<湖の畔の小屋・17時10分>

信じられない!
「いや・・発情って・・・」

オルロフはあっけにとられた。

「いつも交尾をしたがるって!!」

そう言って、妖精は自分のグラスに緑の液体を注いで口に運んだ。

魔女の国は独特の慣習や文化があるとは、聞いていたが・・・

「交尾って・・君の国では言っているのか・・?」

オルロフは薬草リキュールをゴクリと飲み、恐る恐る尋ねた。

「はぁ~」
妖精は出来の悪い生徒に、理科の授業をするがごとく言った。

「交尾は子どもをつくるためにするの。そんなことも知らないの?!
あなたは!!」

オルロフはその発言にあきれたが、好奇心には勝てなかった。

「君は、エリーゼ・・その・・交尾を・・したことがあるのか?」

妖精はオルロフを睨み《にらみ》つけた。

「あるわけないじゃない!!昨日、成人の儀式を終えたばかりよっ!」

その言葉を聞いて、オルロフは一気に力が抜けた気がした。

「そうなんだ・・・・・・」

妖精は薬草リキュールを、ごくごくっと飲んだ。

「でもっ、一か月後に交尾をしなくちゃいけないのっ!!
それもお母様が決めた相手と!」

怒りをこめて、薬草リキュールの瓶をテーブルの上にドンと置いた。

「もう一杯いかが?!それで出て行って!道はもう、戻っているはずよ!」

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