キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1
オルロフは慎重に言葉を選び、聞いた。

「君の国は・・不思議だな。
愛情を持たないで・・その交尾をするのか?」

妖精は、ぐびっぐびびっと一気飲みをすると、今度は社会の授業のようになった。

「私たちはね、秋の収穫が終わると交尾をするの。
春から夏にかけて子どもがうまれるから。
愛情って何?

交尾は義務よ!納税と同じ。
国民のね。
国を維持するためには、人が必要でしょう?」

オルロフはあまりの驚きに、次の言葉が出てこない。

息をするのも忘れるくらい・・・驚いた。

「その、ものすごく驚いた・・・俺の国と全然違う・・・」

妖精は<あんた、何いってるの?>と言ったように、眉間にしわを寄せた。

「私こそびっくりだわ。
グスタフの国は春の子も、夏の子も、秋、冬の子もいるって聞いて!」

妖精は薬草リキュールを、ドボドボとオルロフのグラスに注いだ。

オルロフもひと口飲んだ。
薬草の匂いがきついが、とろりと甘い。
アルコール度数は、かなり高いだろう。

妖精は、暖炉の火を火かき棒でおこしながら言った。

「一年中発情って、どう考えてもおかしいわ」



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