泣き虫な私

『弱い子』

「笑優!早く起きなさい!遅刻するよ!!」
私は、いつもの母の怒鳴り声で目が覚めた。母の声から約30秒後にチロリロリンというアラーム音がなった。私は布団から重い体を起こし、朝ごはんを食べるため一階のリビングへと向かう。
私はリビングに着くとせっせと忙しそうに弁当におかずを詰めている母に「おはよう」と声をかけるとそのままキッチンに行き、母の隣に並びパンににバターを塗り、トーストに入れた。
 私は着替えるために二階へ向かおうとリビングを出ようとすると、母から「ちょっと待ちなさい」と待ったをかけられた。
「笑優、昨日のプリントの中にあった進路調査票もう書いたの?高校一年生だからって油断してたらすぐに周りに置いてかれて取り返しがつかなくなるんだからね」
と母は強い口調で私に言い聞かせるように言った。「わかってるよ」私は心にない返事を返し、後ろから聞こえる母の「待ちなさい」という声を無視し二階へ足を運んだ。
私は部屋に入ると時間を確認しスマホでタイマーを十分セットし小学生の頃から使っている水玉模様の黄色の図書バックから一冊の単行本を取り出した。
怠け癖がある私は、どんな事でもギリギリまで楽をしようと考える。やった後はどうして直ぐにやらなかったのかと不思議になるが、これは、中学生の頃に着いた癖のようなものだ。怠け癖は私の涙と違って直そうとすれば直せるのだろうが、今のところそんな予定はない。
 私は、重い足取りで母の待つリビングに着くと朝ごはんを適当に済ませ、歯磨きをしに洗面台へ向かった。
 洗面台に着くと私は顔を顰めた。私の前に父が歯を磨いた後だったのか、私が好きではない匂いが充満していた。歯磨き粉には種類によって歯磨きの匂いが強く周りに広がるものがあり、父が今使っている歯磨き粉が匂いが強いタイプだった。
 私は仕方なく歯ブラシに歯磨き粉をつけると急いで洗面台を後にし、歯磨きをしながら今日学校に持っていくものの確認をした。
 準備が終わり、洗面台に戻ると多少匂いはマシになっていて私はホッとして歯磨きを終わらせた。時間を見ると本当にギリギリなので時間がなく私は急いでバックを持って家を出た。私が住んでいる場所は
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

私の現実

総文字数/4,331

ノンフィクション・実話3ページ

表紙を見る
私は永遠に君を愛すよ

総文字数/0

恋愛(逆ハー)0ページ

表紙を見る
280回目の初めまして

総文字数/0

恋愛(その他)0ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop