恋を知らない聖剣の乙女は勇者の口づけに甘くほどける。
「えと、その……」
「なぜ逃げる。こうなる原因を作ったのは君だろう?」

 もぞりと距離を取ろうとしたとき、尻の双丘を掴まれ逃げ場なく硬くなった棒に腹の辺りを(つつ)かれた。
 喘がされている最中ならまだしも、素面(しらふ)となった今では刺激が強すぎだ。

「原因っていうか、ロランが勝手に……」
「まだ言うのか? こんなに俺を煽っておいて」
「あっ……んっ!」

 押し込まれた昂ぶりは、滑りよくアメリの(ナカ)に収まった。
 そのままゆるゆると動かされ、密着したままロランは動きを止めた。

「さすがに夕べほど無茶はしないから安心しろ」
「もう……」

 不満げに言ったつもりの声は、自分でもどこかうれしそうに聞こえる。
 横向きに向かい合わせにつながった状態で、アメリとロランは足を絡ませ合った。

「ひゃっ」
「どうした?」
「いえ、シーツが濡れてて冷たくって……」

 特にお尻の下あたりの湿り気がひどい。
 体も全身べとべとしてて、なんだか気持ち悪すぎる。

「君の濡れ具合はすごかったからな。まぁ、俺が出した分も大概か」

 ロランの返答にアメリは真っ赤になった。
 何とは無しに言ったのに、自分の無知さ加減に呆れてしまう。

「またそうやって無自覚に煽る……無垢なくせに君は本当にいやらしいな」
「ひゃあんっ……!」

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