恋を知らない聖剣の乙女は勇者の口づけに甘くほどける。
第13話 乙女の正装
謁見の広間に向かう廊下を、アメリはロランと並んで進んでいた。その後ろにほかのメンバーもついて来る。
歩くたびアメリの胸がゆさゆさ揺れる。大きく開いた襟ぐりは防御力が弱すぎて、慎重に歩かないとうっかり中身がこぼれ落ちてしまいそうだ。
しかも足が前に出るたびに、白い太ももがスカートのスリットから惜しげもなく顔をのぞかせていた。
廊下に均等に立ち並ぶ衛兵たちの視線が痛い。
真面目腐った顔で警護をしているが、目線だけはアメリの胸と足の動きを追っているのが丸わかりだ。
胸元とスカートを押さえて歩きづらそうにしているアメリを、先ほどからロランが横目でちらりと見やってくる。
もたもたするなという合図だと思い、アメリは歩数を増やして小股で何とかロランについて行こうとした。
「聖剣の乙女……言いたくはないが、その服はどうにかならないのか?」
前を向いたままロランが言った。アメリにだけ聞こえた小声は、苦々しさを含んでいる。
さすがにアメリもムッとして、横目でロランを睨み上げた。
「わたしだって着たくて着てるわけじゃありません。これが正装だって言うんだから仕方がないでしょう?」
「正装……? それがか?」
先ほどアメリが思ったことを、ロランがぼそりと呟いた。
「あっ!」
気を散らしたとたん、アメリの爪先が敷かれた赤い絨毯にとられた。
廊下に手をつく寸前にロランに抱きとめられる。
「大丈夫か?」
「は、はい、ごめんなさい、迷惑かけて」
「やはりその服は問題だな……」
歩くたびアメリの胸がゆさゆさ揺れる。大きく開いた襟ぐりは防御力が弱すぎて、慎重に歩かないとうっかり中身がこぼれ落ちてしまいそうだ。
しかも足が前に出るたびに、白い太ももがスカートのスリットから惜しげもなく顔をのぞかせていた。
廊下に均等に立ち並ぶ衛兵たちの視線が痛い。
真面目腐った顔で警護をしているが、目線だけはアメリの胸と足の動きを追っているのが丸わかりだ。
胸元とスカートを押さえて歩きづらそうにしているアメリを、先ほどからロランが横目でちらりと見やってくる。
もたもたするなという合図だと思い、アメリは歩数を増やして小股で何とかロランについて行こうとした。
「聖剣の乙女……言いたくはないが、その服はどうにかならないのか?」
前を向いたままロランが言った。アメリにだけ聞こえた小声は、苦々しさを含んでいる。
さすがにアメリもムッとして、横目でロランを睨み上げた。
「わたしだって着たくて着てるわけじゃありません。これが正装だって言うんだから仕方がないでしょう?」
「正装……? それがか?」
先ほどアメリが思ったことを、ロランがぼそりと呟いた。
「あっ!」
気を散らしたとたん、アメリの爪先が敷かれた赤い絨毯にとられた。
廊下に手をつく寸前にロランに抱きとめられる。
「大丈夫か?」
「は、はい、ごめんなさい、迷惑かけて」
「やはりその服は問題だな……」