恋を知らない聖剣の乙女は勇者の口づけに甘くほどける。
 その方がロランの怪我の治りも早まるはずだ。
 何よりあの日覚えた快感を、アメリの体が(ほっ)してしまっている。

「分かった。君はそのまま力を抜いててくれ」

 アメリはすでにふにゃふにゃだ。ロランの胸板に背を預け、再び小さく頷き返した。
 それでも下着に指がかけられると、アメリの体が強張った。

「大丈夫だ、奥に指を入れたりしない。優しく触る」

 奥の意味がよく分からなかったが、ロランを信じてアメリは力を抜こうとなんとか務めようとした。

「ん……」
「すごいな。触ってもいないのに、もうこんなにぐしょぐしょだ」

 ロランが感嘆したように言う。

「だっ、だからそ、ゆこと、言わないでっ」
「ふっ、言葉にされると君はより感じるようだ」

 怪我をした方の腕を見やり、ロランは意地悪く笑って見せた。
 確かにさっきより傷が一気に回復している。
 悔しいのに、アメリは言い返すことができなかった。

「ここが気持ちいいだろう?」
「あっ」

 どこか一か所をやさしくとんとんと叩かれて、アメリの腰がびくりとはねた。
 あふれ出す蜜を絡めながら、ロランの指が同じ個所を執拗になぞってくる。

「ふ……ぁ、や、あぁんっ」
「突起がどんどん膨らんでいるぞ。うねるように俺の指を押し返してくる」
「だ、だから、そんなこといちいち説明しないでったらぁ」

 ロランはアメリの耳を食みながら、乳首をつまみ上げ巧みに下も刺激してくる。
 どこをどうされているのかも分からなくってきて、アメリは与えられる快感にどんどんのめり込んでいった。

「あっ、あっ、あっ……ふぁっ、あっ! なんっか、きちゃ……」

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