恋を知らない聖剣の乙女は勇者の口づけに甘くほどける。

第22話 イけなくて

「聖剣の乙女。今夜も……いいか?」

 ロランからのお誘い、もとい治療依頼の耳打ちに、アメリは頬を染め頷いた。
 寝静まった頃合いを見て、眠い目をこすって部屋を出る。今夜も同部屋だったサラはぐっすり眠っているようだった。

「疲れているのにすまない」
「いえ、大丈夫です」

 魔物相手に激しく戦っていたロランの方が、よほど疲れているはずだ。
 王都から離れるにつれて、魔物の数も増えてくる。討伐依頼も難易度が上がっていて、ロランも無傷でいることが難しくなっていた。

 ここのところロランの指でイかされて、傷が癒えたら部屋に帰っていく。そんな夜をアメリは幾度も繰り返している。
 今夜のロランは足に火傷を負っていた。草むらに生息するスライム状の魔物にやられたらしい。

「すまない、数が多くて油断した」
「仕方ないですよ。服も溶かしてくるヤツでしょう? わたしの村にもよくいました」

 言いながら羽織り物を脱ぎ、うすい寝間着姿をロランに晒す。
 事務的な会話でもしていないと、いまだに恥ずかしさでどうにかなりそうなアメリだった。

「あの、今日はどうすれば?」
「そうだな、正直座ると足が痛むんだ。今日は立ったままでもいいだろうか?」

 立ちながら触れられるのは初めてのことだ。
 ロランの怪我の具合にもよるが、大抵ベッドの上で後ろからのことが多かった。
 背後から抱きすくめられて、胸を揉みしだかれる。まぶたを閉じてロランに身を任せた。
 今日の傷はことさら酷い。アメリが気持ちよくなれば、その分ロランの痛みの回復も早くなる。

「ぁん……ふっ」

 たくし上げた裾から覗く下着に、ロランの手が入り込んだ。長い指が敏感な部分に触れて、アメリの口から甘い吐息が切なくもれる。
 下着の中でうごめくロランの指の動きがとてもみだらだ。
 視覚的な刺激も相まって、気持ちよさにアメリは無意識に腰を回していた。

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