この契約結婚は依頼につき〜依頼された悪役令嬢なのに何故か潔癖公爵様に溺愛されています!〜
2.悪役令嬢の素顔
「も、申し訳ございませんでしたあああ!」
再びその身をベッドに伏せて、額を擦り付ける女にフレディは驚愕した。
「ア、アリア・クラヴェル……か?」
髪の色も喋り方もまるで別人だが、声色や、特徴的なアップルグリーンの瞳がアリアのものだった。
恐る恐るベッドの上の彼女に声をかけるフレディ。
「はい……」
涙目で顔を上げたアリアと目線が絡む。
どくん、と大きな音を心臓が立てる。
「君、は――」
フレディの脳裏に、昔自分を助けてくれた女の子の姿が重なる。
ラベンダー色の美しいストレートの髪に、優しいアップルグリーンの瞳。忘れたことなどない、唯一、触れられる女性。
思わず伸ばした手がアリアに届くよりも先に、アリアが叫ぶ。
「も、申し訳ございませんでした!! ご依頼とはいえ、失礼なことを! しかしながら、悪女令嬢のアリアはいつもあんな感じでして、悪女令嬢との契約結婚をお望みだとライアン様からも伺っており……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ」
「はい」
早口でまくし立てるアリアに、フレディは頭がついていかず、彼女を制した。
「君は誰だ!」
「アリア・クラヴェルです……」
当たり前の質問をしてしまい、場がポカン、となってしまう。
「いやいや、あの悪女は赤い髪で……」
ハッと我に返り、フレディはアリアの髪をじっと見た。
「ああ。あれは、フレディ様が作られた魔法薬のおかげです。髪が赤いほうが悪役令嬢らしいだろうってレイラ様がおっしゃって……」
「は?! 姉上が?!」
再びその身をベッドに伏せて、額を擦り付ける女にフレディは驚愕した。
「ア、アリア・クラヴェル……か?」
髪の色も喋り方もまるで別人だが、声色や、特徴的なアップルグリーンの瞳がアリアのものだった。
恐る恐るベッドの上の彼女に声をかけるフレディ。
「はい……」
涙目で顔を上げたアリアと目線が絡む。
どくん、と大きな音を心臓が立てる。
「君、は――」
フレディの脳裏に、昔自分を助けてくれた女の子の姿が重なる。
ラベンダー色の美しいストレートの髪に、優しいアップルグリーンの瞳。忘れたことなどない、唯一、触れられる女性。
思わず伸ばした手がアリアに届くよりも先に、アリアが叫ぶ。
「も、申し訳ございませんでした!! ご依頼とはいえ、失礼なことを! しかしながら、悪女令嬢のアリアはいつもあんな感じでして、悪女令嬢との契約結婚をお望みだとライアン様からも伺っており……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ」
「はい」
早口でまくし立てるアリアに、フレディは頭がついていかず、彼女を制した。
「君は誰だ!」
「アリア・クラヴェルです……」
当たり前の質問をしてしまい、場がポカン、となってしまう。
「いやいや、あの悪女は赤い髪で……」
ハッと我に返り、フレディはアリアの髪をじっと見た。
「ああ。あれは、フレディ様が作られた魔法薬のおかげです。髪が赤いほうが悪役令嬢らしいだろうってレイラ様がおっしゃって……」
「は?! 姉上が?!」