この契約結婚は依頼につき〜依頼された悪役令嬢なのに何故か潔癖公爵様に溺愛されています!〜
フレディはアリアの口から出た名前に驚く。
レイラ・シュミットは、宰相を務めるライアン・シュミット公爵に嫁いだフレディの姉だった。
二人は仲睦まじく、ライアンは義弟であるフレディにも良くしてくれていた。魔法省で研究に没頭出来ていられるのも、この敏腕宰相の義兄のおかげだ。
二人は、潔癖で女嫌いのフレディの将来を心配していたが、フレディは結婚する気は無かったし、元々爵位も返上する気でいた。魔法の研究さえ出来ればそれで良いと思っていた。フレディの意志を尊重するように、二人も見守ってくれてはいた。
しかし、毎年やって来る社交シーズンの誘い全部を断るわけにもいかず、王家主催の物には出席せざるをえなかった。
フレディは女嫌いで有名だが、王家の血筋である特有の金色の髪に、ラピスラズリのような濃い深みのある瞳で、見目麗しかった。しかも魔法省の局長で、女性たちが色めき立ち、彼を放っておいてはくれなかった。
冷たく接すると大体令嬢たちは去っていくが、次から次に湧いて来るので、フレディは煩わしくて仕方なかった。
そして一番煩わしかったのが、この国の王女、ローズ・デルリア第一王女の誘いだ。
彼女の熱い眼差しを煩わしく思いながらも、王族を無下には出来ず、フレディは困っていた。
それを義兄に相談した所、悪役令嬢と名高いアリアとの契約結婚を提案されたのである。
「義兄上からは、悪役令嬢と名高い女を紹介されたはずだが……」
フレディは、ライアンから「彼女は有能な悪役令嬢だから安心すると良い」と言われたことを思い返す。
二人は今日、初めてこの屋敷で顔を合わせた。
「はい。悪役令嬢役を仰せつかっております」
「は?!」
目を伏せて答えるアリアは、先程のふてぶてしい態度から一転して、自信なさげだ。
「あの……宰相様からは期間限定で悪役令嬢役を仰せつかっておりまして……」
固まるフレディにアリアは繰り返した。
(悪役令嬢……役!? 役って何だ!?)
レイラ・シュミットは、宰相を務めるライアン・シュミット公爵に嫁いだフレディの姉だった。
二人は仲睦まじく、ライアンは義弟であるフレディにも良くしてくれていた。魔法省で研究に没頭出来ていられるのも、この敏腕宰相の義兄のおかげだ。
二人は、潔癖で女嫌いのフレディの将来を心配していたが、フレディは結婚する気は無かったし、元々爵位も返上する気でいた。魔法の研究さえ出来ればそれで良いと思っていた。フレディの意志を尊重するように、二人も見守ってくれてはいた。
しかし、毎年やって来る社交シーズンの誘い全部を断るわけにもいかず、王家主催の物には出席せざるをえなかった。
フレディは女嫌いで有名だが、王家の血筋である特有の金色の髪に、ラピスラズリのような濃い深みのある瞳で、見目麗しかった。しかも魔法省の局長で、女性たちが色めき立ち、彼を放っておいてはくれなかった。
冷たく接すると大体令嬢たちは去っていくが、次から次に湧いて来るので、フレディは煩わしくて仕方なかった。
そして一番煩わしかったのが、この国の王女、ローズ・デルリア第一王女の誘いだ。
彼女の熱い眼差しを煩わしく思いながらも、王族を無下には出来ず、フレディは困っていた。
それを義兄に相談した所、悪役令嬢と名高いアリアとの契約結婚を提案されたのである。
「義兄上からは、悪役令嬢と名高い女を紹介されたはずだが……」
フレディは、ライアンから「彼女は有能な悪役令嬢だから安心すると良い」と言われたことを思い返す。
二人は今日、初めてこの屋敷で顔を合わせた。
「はい。悪役令嬢役を仰せつかっております」
「は?!」
目を伏せて答えるアリアは、先程のふてぶてしい態度から一転して、自信なさげだ。
「あの……宰相様からは期間限定で悪役令嬢役を仰せつかっておりまして……」
固まるフレディにアリアは繰り返した。
(悪役令嬢……役!? 役って何だ!?)