この契約結婚は依頼につき〜依頼された悪役令嬢なのに何故か潔癖公爵様に溺愛されています!〜
ローズが言い切る前に、フレディは我慢しきれずに叫んだ。その声をきっかけにしたかのように、ゴオッと音を立ててフレディの魔法が発動する。
「きょ、局長! 落ち着いてください――わわっ」
スティングがフレディに声をかけようとするも、風の防壁で近付けない。
フレディはベッドから立ち上がり、ローズを見下ろした。
「フ、フレディ様?」
「俺のアリアにしたこと、昔も含めて許せない――」
ゆらりとローズの前に立ち、静かに怒るフレディのラピスラズリの瞳は、仄暗く陰っている。
「フレディ様っ! 私、わかっています! 私の気を引くために悪女なんかと結婚されたのでしょう? 私こそあなたの妻に相応しい。あなたになら私を捧げても良いですわっ」
「ふうん?」
ローズの言葉に口の端を上げてフレディは笑った。
「フレディ様……」
その表情に期待を寄せたローズは、胸の前で手を組み、そっと目を閉じて、唇を差し出した。
「お前の命を?」
冷たい言葉にゾワリとし、目を開けたローズの目の前には、魔法で作り出した剣を手に、フレディが迫っていた。
「フ、フレディ様っ?! 私にそのような趣味はなくてよ? 普通に貴方にならこの身を捧げますわよ?!」
「まだそんなことを言っているのか……」
焦りながらも話すローズに、フレディはより一層冷たい視線を投げた。
「フレ……ディ、様……?」
目の前の男は本当に自分を殺そうとしているのだと、ようやく理解したローズは呆然とする。
「きょ、局長――! それは流石にマズイですって――!!」
叫ぶスティングの声はフレディには届かない。
「フ、フレディ様……流石に王女の私を殺すなんて……冗談でしょう?! そうすれば貴方だってタダでは済まないわ。私と結婚した方が幸せに決まってる!」
「うるさい、俺の前から消えろ」
「ひっ……」
怒りで正気を失っているフレディは、ローズに向かって剣を振り上げた。
「フレディ様!!」
殺される――、ローズがそう思って目を閉じた時、アリアの叫びが部屋に響いた。
「きょ、局長! 落ち着いてください――わわっ」
スティングがフレディに声をかけようとするも、風の防壁で近付けない。
フレディはベッドから立ち上がり、ローズを見下ろした。
「フ、フレディ様?」
「俺のアリアにしたこと、昔も含めて許せない――」
ゆらりとローズの前に立ち、静かに怒るフレディのラピスラズリの瞳は、仄暗く陰っている。
「フレディ様っ! 私、わかっています! 私の気を引くために悪女なんかと結婚されたのでしょう? 私こそあなたの妻に相応しい。あなたになら私を捧げても良いですわっ」
「ふうん?」
ローズの言葉に口の端を上げてフレディは笑った。
「フレディ様……」
その表情に期待を寄せたローズは、胸の前で手を組み、そっと目を閉じて、唇を差し出した。
「お前の命を?」
冷たい言葉にゾワリとし、目を開けたローズの目の前には、魔法で作り出した剣を手に、フレディが迫っていた。
「フ、フレディ様っ?! 私にそのような趣味はなくてよ? 普通に貴方にならこの身を捧げますわよ?!」
「まだそんなことを言っているのか……」
焦りながらも話すローズに、フレディはより一層冷たい視線を投げた。
「フレ……ディ、様……?」
目の前の男は本当に自分を殺そうとしているのだと、ようやく理解したローズは呆然とする。
「きょ、局長――! それは流石にマズイですって――!!」
叫ぶスティングの声はフレディには届かない。
「フ、フレディ様……流石に王女の私を殺すなんて……冗談でしょう?! そうすれば貴方だってタダでは済まないわ。私と結婚した方が幸せに決まってる!」
「うるさい、俺の前から消えろ」
「ひっ……」
怒りで正気を失っているフレディは、ローズに向かって剣を振り上げた。
「フレディ様!!」
殺される――、ローズがそう思って目を閉じた時、アリアの叫びが部屋に響いた。