親愛なる森
 礼拝のあとは、修道院長の謁見の時間を設けられていた。タイプライターの打ち込みが院で一番早い私は、記録係で、修道院長と兄弟姉妹の会話や来訪を記録することになっていた。というのも、この規律に甘い修道院でそのようなシステムはもともとなかったのだが、院長がご高齢で、何人もの兄弟姉妹と話したことを毎週お忘れになることがあったからだ。
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