親愛なる森
何も詳しいことは聞いていないからわからないけれど、ハーヴェイ様は、領主のお母様が厳しく、また社交の場や、外交が好きではなくて、この森に逃げているのだろうと思っていた。彼が毎週ここにくるようになってから、私は不器用な彼のことを愛してしまった。彼の無表情の瞳の奥から、あなたが愛しいです、という不思議な魔法を受け取り、ミサの時に例のように強引に渡した手紙をきっかけに、秘密のやりとりが続いていた。