親愛なる森
庭のアスパラガスがにょきにょきと伸び、薔薇たちがつぼみをつける時期であったが、昼夜の寒暖差が激しく、よく冷える。それはひとえに、このポークス修道院が、タウランド公国の森の中にぽつんと面白可笑しくおっ立っているからだった!空を劈くような寒さが、田舎の修道院の甘くたるんだ空気感を、まあまあの厳格さで取り締っていた。
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