親愛なる森

手紙を開けて時間をもう一度確認したときに、僕のブロンドのまつ毛が手紙に落ちたので、それを大きな手で払った。医師団の派遣で、タウランドへ赴き、ハーヴェイの住む近くの施設で医者として働くことになることが決まったのは、半月前のことだった。
「（やはり郊外の町は、空気が気持ちいいな……）」タウランドの森の一番近くの町は、大変活気づいていた。パンの焼けるにおいがして、花屋には色とりどりの花が売られている。牛や鶏を小屋の横で飼う家が多い。