親愛なる森

「なんだね、こんな辺境に」50センチほど髭も髪も延ばした汚らしい老人が迎え入れた。テーブルと椅子と暖炉があり、床にはびっしりと数式が描かれている。
「あの、シャーロット・テイラーさんのご親戚ですか？」
「テイラー、テイラーといったか？」
「はい。彼女の結婚のために助けてくれる人を探しています」
「ふむ。悪いが私はこんな生活でね。なにも出来ることはないね」僕は落胆し希望を失いかけるが、暖炉で温められた熱いブランデーをその老人は出してくれて、飲むことで冷静さをとりもどした。
「さて、金は出せないが知力は出せる。ここから2マイル離れたところに繁華街があるが、そこで1番の娼婦を誘惑して、持参金を得てはどうかね？」と老人が言う。今日は泊まって帰りなさいと言われたので、一晩考えることにした。