親愛なる森

第5章

第5章

「(いざ、しょ、娼婦の館へ)」僕はトイレ紙に書かれた住所へとはるばるやってきた。理由は、“なんか面白くなってきたのと、ここまで来たらどうにでもなればいいと思ったから”看板も立っておらず、老人の言うには、一見さんお断りで、紹介がいるとか。ダメ元で戸を叩いてみる。大きな扉が開き、筋肉隆々のガードマンが現れた。
「ご予約の方ですか?」
「ああ、えっと、僕、僕……」とまごまごしていると、奥からこの街No.1の嬢が覗きにきた。僕の顔を見るなり、驚き、燃えるような熱い眼差しで、僕のことを見つめた。
< 38 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop