親愛なる森
「エドワード!……エドワードなの?!」彼女の押しの強さに、思わず、はいそうです、と応えてしまった。
「通して」その女性は言った。
「久しぶりね、大きくなったわね、エドワード」
「あ、えと、うん、大きくなったよ、えと……」
「忘れるわよね、エドワード、私はヴァイオレットよ。なんてね。あなた、エドワードじゃないんだ」花の様な美しい人の、寂しそうな顔を見たのは初めてだった。
「昔ね、好きだった人がいたのよ。その人と、結婚したかった……私は彼に嫌われる様にわざともっていったのよ。笑えるでしょ?」そしてヴァイオレットさんは、ドレスの前の紐を開けた。
「ほら、ぼうや、どうしてほしいの?」僕はごくり、と唾を飲んだ。
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