親愛なる森
「なにそれ、面白い!」艶やかな彼女が、天使の様に可愛らしく笑う。
「あはは、あは、いいわよ!2千万くらいでしょ」そう言って彼女は小切手を机から出し、美しい手でサインをして、生けてある白い薔薇と一緒に頭につけているピンで留めた。
「話さないか、なんて言ってくださったのは、初めてですわ」とヴァイオレットさんはくすりと笑う。僕はその小切手を袂に、帰宅の途についた。
< 42 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop