親愛なる森
シャーロットからの手紙を受け取り、毎晩仕事が終わった明け方に便箋に向かうが、自分の幼い頃の話が何一つ書けずにいた。思い出したくない自分がもう1人いて、私のペンを握る手を固く押さえつけていた。
「(明けの明星が朱く美しい。シャーロットさんのような白い月が横にかかって、私の1日はこれで報われる。)」私はいつも朝から晩までそうである様に、心の中で独り言を呟いた。
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