親愛なる森
16歳の時、母の屋敷に初めて来て、初めて母に会った。その時に「勝利への道」という本を受け取ったのだ。そこまで思い出して私はふと思った。
「(なぜ母は、私のニックネームを知っていて、ヴェーに捧ぐと記してくれたのだろう?)」なにはともかく、祖母の家での出来事は、母には話せなかった。私は領主となるべき者であるからだ。自分を押さえ込むことがいつか公国を治める者のしなければならないことだと思っていた。私の汚点を話し彼女に精神的にもたれかかることに対し、もう1人の私が止めようとしている、だが、心の整理がついたので、書き始めた。私の幼少期の物語について。
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