親愛なる森

「持ってきたぞ、持参金。」書斎で、仕事の手を止めたハーヴェイに向かって若干ムッとしながら言った。手を突き出して、小切手を渡す。
「え？なにこれ」ハーヴェイは小切手を受け取り状況が掴めないようだ。
「シャーロット・テイラーの出生を調べて、遠い親戚の老人から支援してもらった。領主様が資産持ってるからお前は金ないんだろ？」そう言うと、あいつはなんだかよくわからない遠い目をして、どこかわからない上の方を眺めたまま押し黙ってしまった。そうして、長い長い沈黙の後に、話し出した。