親愛なる森
満月の美しい夜だった。僕とハーヴェイは後部座席で眠っていたが、僕は、百合の香りがしたので目が覚めた。シャーロットちゃんが壺からハンドクリームをとりだし、手に塗り、うっとりと目を閉じて微笑みながら手の甲の香りをかいでいた。その姿は、月夜に照らされて、神聖で美しかった。僕は不思議な気持ちになり、ドキドキしてしまった。
< 85 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop