悪魔先輩のプリンセス〜初恋は魔界の王子さま⁉︎〜
1、夜空に浮かぶ王子さま
夏の真夜中。
レースのカーテンが風に吹かれて、ゆらゆらと揺れている。
少女が眠る部屋のベランダに、少年の影が現れた。十五歳くらいの男の子。
パジャマの胸元に光るペンダントをそっと外すと、影は軽やかに窓へ飛び乗る。
「お兄ちゃん、誰……?」
目を覚ました少女が、月に照らされる姿に首をかしげていた。
彼は、シーッとくちびるの前で人差し指を立てて。
「泥棒だよ。君の大切な物をもらいに来たんだ」
優しく笑みを浮かべると、蝶の羽根のようなマントをゆらりとさせて、静かに床へ降りた。
そして、自分が付けていた赤いネックレスを少女の手のひらに落とす。
「代わりにこれをあげる。もっと大きくなったら、今度は君をさらいに来るね。小さなお姫さま」
白い歯を見せて、手に軽くキスをした。
ほんのりと赤らむ少女の頬。
ステップを踏むようにタンッと窓へ移ると、彼は闇へと消えた。
すぐに外をのぞいたけれど誰もいない。
これが、わたしの初恋。
レースのカーテンが風に吹かれて、ゆらゆらと揺れている。
少女が眠る部屋のベランダに、少年の影が現れた。十五歳くらいの男の子。
パジャマの胸元に光るペンダントをそっと外すと、影は軽やかに窓へ飛び乗る。
「お兄ちゃん、誰……?」
目を覚ました少女が、月に照らされる姿に首をかしげていた。
彼は、シーッとくちびるの前で人差し指を立てて。
「泥棒だよ。君の大切な物をもらいに来たんだ」
優しく笑みを浮かべると、蝶の羽根のようなマントをゆらりとさせて、静かに床へ降りた。
そして、自分が付けていた赤いネックレスを少女の手のひらに落とす。
「代わりにこれをあげる。もっと大きくなったら、今度は君をさらいに来るね。小さなお姫さま」
白い歯を見せて、手に軽くキスをした。
ほんのりと赤らむ少女の頬。
ステップを踏むようにタンッと窓へ移ると、彼は闇へと消えた。
すぐに外をのぞいたけれど誰もいない。
これが、わたしの初恋。
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