悪魔先輩のプリンセス〜初恋は魔界の王子さま⁉︎〜
***
「ただいま」
セーラー服姿のまま、家の玄関を開けたら、ドタバタと足音がふたつ迫ってくる。
手足にぐっと力を込めて、深呼吸すると。
「リリアーーッ!」
半分泣いているお父さんと、青ざめた顔をするお母さんが飛びついてきた。今までどこにいたとか、朝帰りとは何ごとかと、交互に口を開いてくる。
心配をかけてしまったのは反省しているけど、本当のことは説明できない。だって、夜宮家のことがバレちゃう。
「ごめんなさーい! 話せるようになったら、絶対話すから!」
二人の間をするりとすり抜けて、二階へかけ上がる。
下でギャーギャーと騒いでいるけど、わたしは自分の部屋へかけ込んだ。棚の一番上の引き出しを開けて、宝物入れを取り出す。
おもちゃの宝石箱で、ちゃんと鍵もあるの。
ガチャッと回すと、ビーズのブレスレットやキラキラシールがでてきた。
「懐かしい」
貝がらやリボンのヘアゴムをかき分けると、一番下から赤いネックレスが見えてくる。
持ち上げてみると、ガラス細工のようにピカピカしている。久しぶりに触ったけど、キレイ。
丸い鏡の前。セーラー服の下へ隠れるようにして、ネックレスをつけた。なんとなく、お守りみたいな気持ち。
憧れの人──夜宮先輩のお兄さんが、わたしと先輩に、力を分けてくれる気がして。
「ただいま」
セーラー服姿のまま、家の玄関を開けたら、ドタバタと足音がふたつ迫ってくる。
手足にぐっと力を込めて、深呼吸すると。
「リリアーーッ!」
半分泣いているお父さんと、青ざめた顔をするお母さんが飛びついてきた。今までどこにいたとか、朝帰りとは何ごとかと、交互に口を開いてくる。
心配をかけてしまったのは反省しているけど、本当のことは説明できない。だって、夜宮家のことがバレちゃう。
「ごめんなさーい! 話せるようになったら、絶対話すから!」
二人の間をするりとすり抜けて、二階へかけ上がる。
下でギャーギャーと騒いでいるけど、わたしは自分の部屋へかけ込んだ。棚の一番上の引き出しを開けて、宝物入れを取り出す。
おもちゃの宝石箱で、ちゃんと鍵もあるの。
ガチャッと回すと、ビーズのブレスレットやキラキラシールがでてきた。
「懐かしい」
貝がらやリボンのヘアゴムをかき分けると、一番下から赤いネックレスが見えてくる。
持ち上げてみると、ガラス細工のようにピカピカしている。久しぶりに触ったけど、キレイ。
丸い鏡の前。セーラー服の下へ隠れるようにして、ネックレスをつけた。なんとなく、お守りみたいな気持ち。
憧れの人──夜宮先輩のお兄さんが、わたしと先輩に、力を分けてくれる気がして。