悪魔先輩のプリンセス〜初恋は魔界の王子さま⁉︎〜
5、悪魔と恋のおまじない
「リリアー! おめでとう。すごいわよ、よく一人でできたわね!」
学校の先生に悪魔がいたことを伝え、封印したことを話すと、お父さんとお母さんは飛び跳ねて喜んでくれた。
ケーキやちらし寿司なんかを用意して、まるでお祭り騒ぎ。わたしの誕生日のときは、天使と悪魔の話で終わっちゃったというのに。
「さすが、俺に似てハンターセンスがあるな」
「あらいやだ、私に似たのよ。お母さんに似て美人だって、よく言われるのよ。ねえ、リリア」
「わかったから、早く食べようよ。冷めちゃうよ」
チキンを食べながら、封印したときのことを思い出す。
あのとき、突然声が聞こえた。あの呪文を教えてくれたのは、わたしの初恋の人──夜宮先輩のお兄さんだ。
ペンダントと引きかえに、このネックレスをくれたのはどうしてだろう。
守ってもらえたから、結果的にはよかったのだけど。
「あら、リリア。【天使の輪】は? ちゃんと肌身離さずつけていなさい」
「なにそれ?」
「指輪のことだよ。ほら、悪魔退治するときに使っただろ」
首をかしげながら、ポンとひらめく。
お父さんが、駄菓子屋のおばあさんに使っていたリングのことかな。
でも、そんなものは持っていない。お父さんたちのような、デビルハンターだけが使うものだと思っていた。
二人は黙って、わたしの顔と指を交互に見る。
「まさか、持ってないの?」
「君が渡したんじゃないのか?」
「いやだ、私はてっきりあなたが渡してるものだと」
言い合いながら、いっせいにこっちを向いて。
「……じゃあ、どうやって封印したのよ⁉︎」
「……じゃあ、どうやって封印したんだ⁉︎」
いきおいよく、声を合わせて聞いて来た。
どうやら、わたしはとんだミスをしてしまったみたい。
学校の先生に悪魔がいたことを伝え、封印したことを話すと、お父さんとお母さんは飛び跳ねて喜んでくれた。
ケーキやちらし寿司なんかを用意して、まるでお祭り騒ぎ。わたしの誕生日のときは、天使と悪魔の話で終わっちゃったというのに。
「さすが、俺に似てハンターセンスがあるな」
「あらいやだ、私に似たのよ。お母さんに似て美人だって、よく言われるのよ。ねえ、リリア」
「わかったから、早く食べようよ。冷めちゃうよ」
チキンを食べながら、封印したときのことを思い出す。
あのとき、突然声が聞こえた。あの呪文を教えてくれたのは、わたしの初恋の人──夜宮先輩のお兄さんだ。
ペンダントと引きかえに、このネックレスをくれたのはどうしてだろう。
守ってもらえたから、結果的にはよかったのだけど。
「あら、リリア。【天使の輪】は? ちゃんと肌身離さずつけていなさい」
「なにそれ?」
「指輪のことだよ。ほら、悪魔退治するときに使っただろ」
首をかしげながら、ポンとひらめく。
お父さんが、駄菓子屋のおばあさんに使っていたリングのことかな。
でも、そんなものは持っていない。お父さんたちのような、デビルハンターだけが使うものだと思っていた。
二人は黙って、わたしの顔と指を交互に見る。
「まさか、持ってないの?」
「君が渡したんじゃないのか?」
「いやだ、私はてっきりあなたが渡してるものだと」
言い合いながら、いっせいにこっちを向いて。
「……じゃあ、どうやって封印したのよ⁉︎」
「……じゃあ、どうやって封印したんだ⁉︎」
いきおいよく、声を合わせて聞いて来た。
どうやら、わたしはとんだミスをしてしまったみたい。