悪魔先輩のプリンセス〜初恋は魔界の王子さま⁉︎〜
夜宮家は、負のオーラを食べない。自分たちのために、誰かを不幸にしない。それどころか、人を守ろうとしている。
今は難しくても、いつかはみんなにわかってもらえるといいな。
「そのために、リリアとは仮じゃなくて、本契約したいな。なるべく早く」
にこっとして、夜宮先輩がわたしの手をとる。
「本……契約?」
ハテナを並べて、ハッとなる。
そういえば、仮で恋の契約をしていたのだった。忘れてしまうくらい、特別なにかあるわけではなかった気がするけど。
「今までは、悪い虫がつかないようにって、簡単な糸をつけていただけだったけど」
言いながら、わたしの小指に人差し指を置く。
赤く光ったと思ったら、つまむようにしてひっぱった。
糸みたいに伸びて、絡まっていた光がぷつんと消える。まるで、運命の赤い糸みたい。
「僕と、正式に婚約してほしい」
てん、てんと無言が続いて、大きく空気を吸い込んだ。
「えっ、ええ──っ!」
紅茶と同じ、苺色に染まった頬をおさえて絶句する。
正式にプロポーズされてしまった。お付き合いらしいことも、何ひとつしたことがないのに。
今は難しくても、いつかはみんなにわかってもらえるといいな。
「そのために、リリアとは仮じゃなくて、本契約したいな。なるべく早く」
にこっとして、夜宮先輩がわたしの手をとる。
「本……契約?」
ハテナを並べて、ハッとなる。
そういえば、仮で恋の契約をしていたのだった。忘れてしまうくらい、特別なにかあるわけではなかった気がするけど。
「今までは、悪い虫がつかないようにって、簡単な糸をつけていただけだったけど」
言いながら、わたしの小指に人差し指を置く。
赤く光ったと思ったら、つまむようにしてひっぱった。
糸みたいに伸びて、絡まっていた光がぷつんと消える。まるで、運命の赤い糸みたい。
「僕と、正式に婚約してほしい」
てん、てんと無言が続いて、大きく空気を吸い込んだ。
「えっ、ええ──っ!」
紅茶と同じ、苺色に染まった頬をおさえて絶句する。
正式にプロポーズされてしまった。お付き合いらしいことも、何ひとつしたことがないのに。