悪魔先輩のプリンセス〜初恋は魔界の王子さま⁉︎〜
「せんぱい!」
大きく振り上げた手を、そっと下ろす。
昨日の出来事を思い出して、胸がドキドキした。
恋人になってほしいと言われて、すぐに答えられなかった。わたしなんかでいいのか、まだ不安だけれど。
「わたし、いっぱい考えたんです。どうしたら先輩を守れるだろうって」
「うん」
「だけど、そばにいることしか、思いつかなくて」
「うん」
優しくうなずく夜宮先輩。スーッと大きく息を吸って、勇気を出す。
「もっと力になりたいんです! 先輩とずっと一緒にいるために、先輩が封印されないように。なにか、わたしに手伝えることはありますか?」
いきおいよく話したのが驚いたようで、夜宮先輩は、一瞬、目を丸くした。
なにか思いついたみたいな、フッとした笑みを浮かべて。
「そうだなぁ……じゃあ、不幸を食べない僕に、リリアのエネルギーを分けてくれる?」
「もちろん! でも、どうやって……?」
首をかしげると、プイプイが顔の前に飛んできて、わたしの鼻をコショコショとくすぐる。
えっ、なになに?
細い毛がくすぐったくて、ムズムズすると思ったら。
「ハァー……クショーンッ! ハックションッ!」
大きなくしゃみと一緒に、じわりと涙があふれた。
「い、いきなり……なにを……」
擦ろうとした手が掴まれて、チュッと目元にキスが落ちてくる。
わ、わ、ひゃわぁ──⁉︎
大きく振り上げた手を、そっと下ろす。
昨日の出来事を思い出して、胸がドキドキした。
恋人になってほしいと言われて、すぐに答えられなかった。わたしなんかでいいのか、まだ不安だけれど。
「わたし、いっぱい考えたんです。どうしたら先輩を守れるだろうって」
「うん」
「だけど、そばにいることしか、思いつかなくて」
「うん」
優しくうなずく夜宮先輩。スーッと大きく息を吸って、勇気を出す。
「もっと力になりたいんです! 先輩とずっと一緒にいるために、先輩が封印されないように。なにか、わたしに手伝えることはありますか?」
いきおいよく話したのが驚いたようで、夜宮先輩は、一瞬、目を丸くした。
なにか思いついたみたいな、フッとした笑みを浮かべて。
「そうだなぁ……じゃあ、不幸を食べない僕に、リリアのエネルギーを分けてくれる?」
「もちろん! でも、どうやって……?」
首をかしげると、プイプイが顔の前に飛んできて、わたしの鼻をコショコショとくすぐる。
えっ、なになに?
細い毛がくすぐったくて、ムズムズすると思ったら。
「ハァー……クショーンッ! ハックションッ!」
大きなくしゃみと一緒に、じわりと涙があふれた。
「い、いきなり……なにを……」
擦ろうとした手が掴まれて、チュッと目元にキスが落ちてくる。
わ、わ、ひゃわぁ──⁉︎