冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い
ふと香蓮が目を覚ますと、カーテンの隙間から太陽の光が差していた。
玲志の電話を待ちながら眠ってしまったらしい。焦った香蓮は、急いで枕もとに置いていたスマホに手を伸ばす。
「あれ……。電話、きてない」
昨晩、玲志から電話がくるものだと思っていた香蓮は拍子抜けしてしまう。
確認すると夜中にメッセージが一通届いていた。
【ごめん、トラブルがあって電話できなかった。体調は大丈夫か?】
玲志がメッセージを送って来たのが夜中の二時近く。こんなに遅い時間までトラブルとはいったい何があったのだろう。
香蓮は気になったが彼が体調を気遣ってくれたので、その件にだけ返事をする。
(この流れで赤ちゃんのことを言うか迷うな。今日の夜は電話できるかしら……)
迷ったが、香蓮は今晩自分から電話をすると決めた。
【今日、玲志さんに大事な話があるので電話してもいいですか?】