冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い
玲志の突然の甘い言葉に、香蓮は動揺したように笑う。
「そんなこと……」
「いや、ある。俺にとって香蓮は世界で一番美しいよ」
玲志は微笑んで彼女に伝えると、そっと柔らかい唇を奪った。
吐息が混ざり合う距離で、ふたりの視線が熱く絡み合う。
「私にとっても、玲志さんが世界で一番素敵ですよ。知ってると思うけど……」
「ああ、知っていた」
笑いあったふたりは、再び唇をそっと合わせた。
会話をするような淡いキスが、次第に互いを渇望するような激しいものへと変化していく。
「れ、玲志さん……」
「結婚記念日を忘れないように、今日は甘い日にしようか? 香蓮」
「んっ……はい……」
玲志の長い指が、香蓮の指に絡まりソファに縫い付けられる。
ふたりは甘く溶け合うような長い夜を過ごし、一生忘れられない結婚記念日を送った。
END.