冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い
再び香蓮の口の中で玲志の舌が蹂躙する。
されるがままの香蓮を薄目を開けた玲志が、舌を絡めながら香蓮を見つめた。
「明日は結婚式だ。ちゃんと練習しておかないと」
「ん……」
香蓮は玲志のたくましい腕を小さな手で掴み、必死でキスに応える。
この一か月で、彼女は玲志に従うことにすっかり慣れてしまった。
彼女は愛のない触れ合い以上に空虚なものはないと気づきながらも、見向きもされていなかった玲志に求められる幸せは感じていた。
すると玲志の大きな掌が、香蓮の胸をシャツ越しにやんわりと揉み、彼女の華奢な肩が大きく上下する。
「れ、玲志さんっ……これ以上はもう……」
「なぜ?」
耳まで赤くし目を潤ませた彼女を見て、玲志は薄ら笑いを浮かべる。
彼の手は彼女のスカートの中に伸び、ショーツの上から湿った部分をそっとなぞった。
「しっかり濡らしておいて、どの口が言っている?」
「……っ!」
普段冷ややかな玲志の目に明らかな熱を感じ、香蓮の心臓がドクドクと早鐘を打つ。
香蓮が玲志に触れられて嬉しいのは確かだったが、そこに愛はなく、ただ体だけを求められているというのは事実。
きっとこれから体を求められるたびに、傷つくのが目に見える。
「れ、玲志さん……私、本当に……できません……」