冷酷社長が政略妻に注ぐ執愛は世界で一番重くて甘い
「玲志さん……?」
「頑張ってくれているのは知ってる。自由な日も設けて、君の好きなことをしてほしい」
玲志は何事もなかったように食事を再開するが、香蓮は喜びのあまり手が止まったままだ。
(玲志さん、私のこと見ていてくれたんだ)
玲志に“ふさわしい妻”として認められたくて、彼女は睡眠を削って頑張ってきた。
少しでも彼が頑張りを認めてくれたことで、喜びで心が満たされる。
「あ、ありがとうございます玲志さん。今やっている習い事、これからどうしていくか検討していきます」
「ああ、そうしてくれ」
そこでいったん会話が途切れたが、玲志との関係が前進していると確信した香蓮は思い切って口を開く。
「最近、玲志さん帰りが遅かったですよね。お仕事お忙しいんですか?」