NY・Sentimental

「カレン、そのファイルは俺が持つよ」

「重くないからこのくらいわたしが持てるわ。席につきなさいジョージ。それより日本への輸出が検討段階に入ってるブティック社製の鍋の設計図を、すべてそろえてちょうだいって言ったのはやってもらえたのかしら?」
「あ、ああ……。これから」
「早くしてね。どのタイプをプレゼンで使うか、考えたいの」

「そのプレゼンは日本でやるのか?」
「まずここでするわ。でもいずれ、日本ですることになるわね。日本で売るんだから」
「その場合、同行は……」
「セイジにお願いするわ。当たり前だけど、日本語がわたしより堪能なのは本社内にセイジしかいないんだから」

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