NY・Sentimental

「ちょっと教えてくれませんかカレン」
『私』の部分は全くわたしには関係ないことだわ。
「ちょっとちょっとカレン」

関係ないから深く関わりたくない。

「カレンってば」
「なぁにセイジ」

今日も残業か。
もちろんセイジも残業。
気がつくといつもこんな遅い時間になる。

巨大フロアを細かいブースで仕切っているだけだから、同じフロアで働いている人間はいくらでもいるけれど、わたしたちのブースでは、わたしとセイジが二人だけになることもよくあった。

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