NY・Sentimental
こうしてずっとまわっていればあんな男の一人や二人、すぐに忘れてしまえる。

頭にとめてあったはずのティアラが後方に飛んだと思ったら、三十二回のピルエットを終える寸前、わたしの身体は軸を失い傾いた。


そして盛大に倒れた。
「いた……っ。いったいなあ、もう」

いくら平坦に見える地面でもステージではないんだし、やっぱり無理があるよね。
でも身体はこんなに覚えているものなんだな。


「あの、これ……」
わたしの後方、街灯のすぐ側から男の人の声がした。

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