NY・Sentimental


セイジの席の後ろ、幅のある胸より少し低い仕切りの上で、大量の書類を整理しているところに声をかけられ振り向いたら、珍しく彼のパソコンが仕事以外の画面を開いている。


「この自由の女神、に行くにはバッテリーパークからフェリーに乗ればいいんですよね」
「そうよ」
「そうか! そうすればこの自由の女神のあるエリス島まで行って中に入れるんですね」
「フェリーはリバティ島行きに乗りなさい。自由の女神があるのはエリス島じゃなくリバティ島」

「え? よくわからないなぁ。ここにはエリス島に先に行くって。ここで自由の女神の展望台のフェリーチケットで……」
「セイジ、ニュージャージーからでるフェリーを見てるんじゃないの? 事前にフリータイムビジターズチケットを購入するのが最適よ」

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