NY・Sentimental
と、何度も答えているのに、必ず、毎回毎回聞く。忘れるん、だろうな。
もう全く痛みなんか残していないようなその屈託のない笑顔の裏で、まだジョージの面影をひきずっているのかな。
ジョージはカレンの運命の相手なんかじゃないんだよ。
運命の相手に出会うまで、人は破れても破れても恋をし続ける、と俺は確信している。
自分に言い聞かせている、と言ってもいい。
日本で何度も何度も何度も失敗した恋愛。
だけど、俺は性懲りもなくまた恋をする。
なぜなら俺は、まだ運命の相手に出会ってはいないから。
「セイジ? どうしたの?」
俺が珍しく上の空だったからなのか、カレンがちょっと心配そうな表情で、ワインのボトルを手に、静止して俺を覗き込んでいた。
「運命の相手、についてちらっと考えてた」