NY・Sentimental
「すみません。似たようなビルばっかりで困ってるんです。今日から赴任なんですが、情けないことに自分の会社がわからずにいます。昨日下見できればよかったんですけど、飛行機トラブルで夜、こちらについて……」
「会社だらけですもんね。どこの会社?」
「このあたりなんです」
彼は地図とそして、会社名の入った社から支給されたらしい案内状を見せた。
『BRAIN PLACE』
「え? ここなの?」
「そうですけど。何か検討違いな場所に来てしまったとか?」
「一緒に行きましょ?」
「は?」
そういえば、そうマリッジ休暇が終わったら、わたしの部署に、新しく日本から、やり手で通っている営業マンが赴任してくる予定だったわよね。