NY・Sentimental



「すみません。似たようなビルばっかりで困ってるんです。今日から赴任なんですが、情けないことに自分の会社がわからずにいます。昨日下見できればよかったんですけど、飛行機トラブルで夜、こちらについて……」


「会社だらけですもんね。どこの会社?」
「このあたりなんです」


彼は地図とそして、会社名の入った社から支給されたらしい案内状を見せた。
『BRAIN PLACE』


「え? ここなの?」
「そうですけど。何か検討違いな場所に来てしまったとか?」
「一緒に行きましょ?」
「は?」

そういえば、そうマリッジ休暇が終わったら、わたしの部署に、新しく日本から、やり手で通っている営業マンが赴任してくる予定だったわよね。
< 14 / 351 >

この作品をシェア

pagetop