NY・Sentimental
「カレン!!」
ジョージがわたしの肩に手をかけた。
わたしは振り返って彼を睨んだ。
「離しなさいよジョージ! これ以上、仕事と関係のないことでわたしに話しかけると本気でひっぱたくわよ。あなたがわたしに何をしたのかは、会社中が知っているのよ? 騒ぎを起こしたいの? わたしに同情する人間はいてもあなたに同情する人間はいないわ」
もう、一瞬にらむのも気持ち悪かった。
わたしったらどこまで男を見る目がなかったのかしら?
ジョージはわたしの肩から手を離した。
わたしが数歩歩いたところで、ジョージが小さな声で言った。
「婚姻届は提出していない」
「は?」