NY・Sentimental


「おかしいってばカレン。どうしたのよ?」

「どうしても、会社での地位を、基盤をしっかりしておかないと。わたしのためにも。チームのためにも」

わたしは手早く外出用のコートを羽織った。

「場所はどこなのカレン」

「ドルトンホテルの、グリルニューヨークよ」

ひったくるようにバッグを取り上げ、コートの肩にかける。

「カレン、カレンってばっ!!」
「行ってくるわね。いいお土産を持ち帰るわ」

大丈夫よジェシー、たかがハゲ親父に会うくらいじゃない。
一人で行けば$10000000の契約なのよ? 

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