NY・Sentimental

今、おかしな揺さぶりをかけられたら、彼女は何をするかわからない。

「ありがとう!」

俺は廊下にでるとすぐジョージに電話をかけた。
ジョージが今、ミッドタウンにいる。
ミッドタウンとドルトンホテルは目と鼻の先だ。

ここから俺が駆けつけるよりずっと早い。
とにかくまずカレンの身の安全を確保しないと。

「ジョージ? ジョージだよな? あのな、今、カレンがドルトンホテルのグリルニューヨークにいる。ソン・ホールディングスの元村とたぶん、二人だ。でかい契約でカレンを釣ってる。何を強要されてるかわからない。すぐ、すぐ行ってくれないか? ああ、ああ、いいよ。それはこっちから俺が謝りの電話を入れておく。今はカレンが最優先だ」

< 187 / 351 >

この作品をシェア

pagetop