NY・Sentimental


「あの色仕掛けも武器ってわけ?」
「そうよ。わたしはあなたの上司。文句はいわせないわよ」

今朝みたいなおかしな不意打ちをくらうと調子が乱れると思って、最初からクギをさしているのに、この男ったらちっとも意に介していないみたい。
軽く睨むわたしの視線もどこ吹く風で、まわりをきょろきょろと見回している。

「あとの二人は?」

「ああ、休暇中なの。ジョージとケイト。たぶん、あと一週間くらいで出てくる。それまではわたしと二人で仕事をこなしてもらうことになるわ。来た早々、わからないことだらけで大変でしょうけど」

セイジがちょっと複雑そうな顔をした。

「やっぱりそうなんだ。四人しかいない同じチームの人間が二人一緒に休暇なんですよね。日本を出る時、ちらっと聞きましたけど」

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