NY・Sentimental
怖いと思ったのに、あまりに綺麗で、蠱惑的で、目がそらせなかったあの時のセイジに、わたしはまた会うのかな。

穏やかな彼も好き。


でも、セイジの「いい人」の歴史に終止符を打ち、いい人じゃない彼を引き出したのがわたしなら、それはとても……嬉しい、を通り越して誇らしい気持ちになる。


年甲斐もなく願っていた、ティアラを拾ってくれた王子様が現れたと、わたし思ってもいいのかな? 


あの時、教会の裏庭で落としたティアラをセイジが持っているわけはないけれど、一応、実物はわたしに渡す前にどこかに置き忘れてしまった、なんてことにしておいてもいいんじゃないのかな。







わたしの動きやすいラフな洋服や靴を買い、マーケットで生鮮品を買う。

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