NY・Sentimental
「俺だけのせい?」

「そうよ」

「そうだったのか」

決まりが悪そうに俺から視線をそらすカレンの仕草が愛おしい。

反論せずに素直に引き下がり、彼女の頭に手をやって軽く俺の方に引き寄せる。

余裕のある大人っぷりをみせてやるよ。


プライベートでは二つ年下の俺の、可愛い可愛い彼女。


「俺のせいだね昨日のは。何? これ?」


「クラムチャウダーとサンドウィッチ! 得意料理よ! 運んで?」


「ああ」


俺のトレーナーだけ着たカレンの格好は、膝上のミニスカートみたいで、愛らしく、新鮮だ。


でも本当は、昨日どうにかカレンのパジャマというか、寝間着を買いたかった。


ダメか。

当たり前か。


カレンの父親は脳梗塞で倒れてから、まだ会社に復帰していない。


今、グラマシーのカレンの実家から彼女を連れ出すことはできないんだな。

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