NY・Sentimental
挨拶をし、詰めに入っていた商談に移る。
もしかしたらダメかもしれないと思っていた話がまとまったことで、わたしもちょっと気分がよかった。
セイジの受け答えはすごくはっきりしていて、相手に不安や不信感を抱かせない。
この男案外いい物件かも。
立ち上がってわたしとセイジ、相手は日本人二人とアメリカ人二人の四人で商談成立の握手を交し合った。
五十のおじさん専務がわたしの手を若干、いつもより早く離して言う。
「それにしてもカレン、なんだね。今日は清楚なお嬢様、っていう印象だよ。うん。娘にするならこれがいい」
「は?」
アメリカ人のアレクがこれを受ける。