NY・Sentimental
「嫌よ。着たものをセイジに洗濯させるなんて恥ずかしい」
「そんな面倒なことしてたら気軽にこれないじゃないか」
「持って来るわよ。それに……やっぱりパパが落ち着くまでは」
「……わかったよ」
ここで強引になってしまえばいいのかもしれない。
離してはいけないと、ここで行かせてしまったら、あとで絶対に後悔すると、そういう予感がするんだよ。
だけど、カレンの家族のことを考えると、どうしてもそんな自分勝手な行動をとることができなかった。
カレンがどれほど家族のことを考えているか、嫌というほど見せつけられているから。
ただ一つだけ願うのは、オフィスでも、プライベートでも、カレンが頼りにする男でありたいよ。