NY・Sentimental
「そんなわけないでしょっ」


わたしは恥ずかしくなって足早にその場を後にし、自室への階段を駆け上る。



もう……そんなことがはた目にわかるほどわたしは浮かれているんだ。


十代の学生じゃあるまいし、いい歳をして恥ずかしい。


彼と同じ部署で、明日から以前と変わらない態度で仕事ができるのかしら? 


かりにもチームの責任者であるわたしが、オフィスでこんなにふわふわと浮かれているわけにいかない。


そうは思っても、荷物を置き、文庫本だけを片手にベッドに腰掛けたわたしは、まだ充分に夢見心地だった。


セイジに借りた本。

セイジの読んだ本。

わたしは
StephenkingのThe Shawshank Redempton をパラパラとめくった。

「ん?」

最後のページに、二つ折りになっている薄い紙が挟まっているのを見つけた。


わたしは、レシートか何かだろうと、なんの気なしにそれを開いた。


しおり代わりに使っていたのかな。



















「え。何これ……?」




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