NY・Sentimental
もうどうにでもなれ、という自棄っぱちな気持ちが身体中に蔓延してくる。
放心状態から我に返ったのは電話の着信音だった。
のろのろと携帯電話を探りながら、もうセイジは着信拒否にしよう、と決める。
彼の名前を見ればわたしはどうしても揺れてしまう。
そう思ってディスプレイを覗き込むと、そこにあった名前は……モトムラだった。
「はい、マサキです」
―――――――……。
―――――……。