NY・Sentimental
「カレン、これからモトムラに会うんだって?」
オフィスに入るなりジェシーがわたしに突進するように近づいてきた。
「どうして、それ」
「セイジから連絡が来たのよ今。絶対一人で会わせるな、って」
ジェシーは携帯を振ってみせた。
もうジョージが信用できないから、セイジはこうやってわたしのことをジェシーに頼むのかな。
「いつの間にそんなプライベートの連絡先交換まで……」
「昨日よ。昨日、セイジが半狂乱っていうほどあんたがこなくて、連絡も取れないことに取り乱してて。今日なんかブロックしたんだって? セイジのID」