NY・Sentimental

「カレン、これからモトムラに会うんだって?」


オフィスに入るなりジェシーがわたしに突進するように近づいてきた。


「どうして、それ」


「セイジから連絡が来たのよ今。絶対一人で会わせるな、って」 


ジェシーは携帯を振ってみせた。


もうジョージが信用できないから、セイジはこうやってわたしのことをジェシーに頼むのかな。



「いつの間にそんなプライベートの連絡先交換まで……」


「昨日よ。昨日、セイジが半狂乱っていうほどあんたがこなくて、連絡も取れないことに取り乱してて。今日なんかブロックしたんだって? セイジのID」

< 292 / 351 >

この作品をシェア

pagetop