NY・Sentimental

「君が会社員としてどれだけ優秀かということはわたしはもう充分承知している。異例のヘッドハンティングも多少強引に進められる立場にもいる。うちの社はおたくと違って歴史も浅くて、規模もまだそれほど大きくはないから、こんなことができるんだが。君の力を信用しての話だってことはわかってほしい」


「どういう条件でしょうか?」


「いくつかあいているポスト、または君のほうが適任だろうと思うポストがある。ニューヨークにこだわるのなら、たぶん、あまり今より年棒の高いポストはないんだが」


「ニューヨークにこだわらない、なら、年棒の高いポストがあるってことですか?」

< 303 / 351 >

この作品をシェア

pagetop